スペシャルコラム

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カヤジャム2

 シンガポールへ旅をしました。またまた朝食のお話ですが、このお国、東京23区程の国土に中国系、マレー系、アラブ系、チャイニーズと色々なルーツの人たちが暮らしています。びっくりしたのはホテルの朝食です。もちろん観光で訪れる欧米人、我々日本人にも対応すべくブッフェの規模が半端ではありません。インドコーナーではさすがに朝なのでシンガポール名物のフィッシュヘッドカレーはありませんでしたが数種類のカレーにレンズ豆のサラダ、野菜のスパイス蒸し煮のサブジなどがチャパティと共に用意されていてびっくりです。

カヤジャム3

 ホテルの朝食とはいえせっかくシンガポールに来たのだから食べてみたいと思ったのはやはりこの国の朝食、コンデンスミルクたっぷりのシンガポール風コーヒーにカヤトースト、半熟卵のセットです。中でもカヤジャムは名物、何でできているのか知らなければお芋のベースにほのかにココナッツのお味?といった感じですが、実はココナッツミルクがベースのスプレッドでココナッツミルクをお砂糖と共に薄茶色になるまで煮詰めて作ったものです。プレーンな濃いベージュ色のものからパンダンリーフ(タコノキの葉)で香りをつけて緑色に着色したもの、はては悪臭で有名なトロピカルフルーツのドリアン入りまで色々とあります。お値段も幅がありやはり有名ホテルのオリジナルなどは上品な甘さで美味しいとガイドブックに案内があります。カヤに使うパンダンリーフですが日本名はタコノキの葉、一見菖蒲の葉のように見えますが甘い独特の香りを持つ植物です。ジャムをはじめエスニックのスイーツにはよく使用されるものです。東京では新大久保のアジアンマーケットに行けば入手できます。

カヤジャム1

 コピティアムというのがシンガポールのコーヒーショップ、現地の人たちはここでカヤトーストを始めとする朝食を、お昼を、子供達は甘いおやつを、カジュアルな夕食をと街になくてはならない存在です。
たくさんの屋台が並び好きなものをオーダーしてホールでいただくフードコートにもカヤトーストがスペシャリティのお店があります。国の大きな収入源が旅行者のおとすお金でもあるせいでしょうか、シンガポールの人たちはホテルでもカヤのお店でも、タクシーのドライバーでも皆さん大変に礼儀正しく親切です。

街中で地図などを見ていると道案内の声をかけてくださる、タクシーの車中でもシンガポールは楽しいかなどと問いかけがある、決してチップ目当てではない親切とホスピタリティで、とっても素敵です。きっとみんな自分の国が大好きで誇りを持っているのでしょうね。私たちも心から好きになれるものを持ちそれを大切にして人に伝えることができるといいですね。

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