カンパーニュを食べて、いもの皮の風味がすることがある。
あるパン職人によると、そんな香りがするときは、発酵がうまくいったときなのだそうだ。
カンパーニュを買った。
お店を出てたまらずひとかじりすると、いもの風味があった。
小麦の旨味まで皮に焼き付いたという、そんな味わいだった。
家に帰り着くと、食べかけのさつまいもがぽつねんとテーブルの上にのっていた。
普段だったらさびしくなるような眺めだけど、それを見てひらめくものがあった。
そうだ、スイートポテトを作ろう。
皮をむく。
レンジでチンして少しやわらかくして、ミルクやバターを適量加える。
スプーンで押し潰す。
あっというまにスイートポテトが完成。
いもの香りがするパンにさつまいもをのせて。
秋らしい味だと思う。
もう少し酸味があったらいいなとか、もっとミルキーさと甘さを足したいなとか思う。
冷蔵庫にあるものをトッピングしてみる。
ドラゴンフルーツのジャム、いちじくとクルミのジャム、練乳。
単純に練乳がいちばん好きだったかもしれない。
りんごジャムやクリームチーズも合いそうだ。
アールグレイティーと合わせてみたくなった。
牛乳なら鉄板だろう。
なつかしく、素朴な味である。